人事院は、令和6年8月8日、政府と国会に対して、同年の人事院勧告を行いました。
〔確認〕人事院勧告
国家公務員は、労働基本権が制約され、自らの給与改定に関与できないため、第三者機関である人事院が、政府(内閣)と国会に国家公務員の給与水準の見直しを求める制度。
国家公務員の給与水準と民間企業従業員の給与水準とを均衡させることが目的で、人事院が毎年実施する民間給与の実態調査に基づき勧告を行います〔給与勧告〕。
また、それと併せて、働き方改革をはじめとした人事管理に関する報告も行います〔公務員人事管理に関する報告〕。
令和6年の人事院勧告のポイントは、次のとおりです。
●本年の給与改定(勧告)
民間給与の状況を反映して、約30年ぶりとなる高水準のベースアップ
□ 月例給[本年4月分の民間給与を調査して官民比較]【令和6年4月実施】
官民較差:11,183円(2.76%)
※ 官民較差はいわゆる「ベア」に相当。
モデル試算した定期昇給分を加えると、月収で約4.4%の給与改善
「給与制度のアップデート」の一部を先行実施
→・採用市場での競争力向上のため、初任給を大幅に引上げ
【 総合職(大卒) 】 230,000円(+14.6%[+29,300円])
【一般職(大卒)】 220,000円(+12.1%[+23,800円])
【一般職(高卒)】 188,000円(+12.8%[+21,400円])
・若年層に特に重点を置きつつ、全ての職員を対象に全俸給表を引上げ改定
□ ボーナス[直近1年間の民間の支給状況を調査して官民比較]【令和6年4月実施】
年間4.50月分 → 4.60月分
・期末手当及び勤勉手当の支給月数をともに0.05月分引上げ
(0.05月分+0.05月分=0.10月分引き上げ)
●給与制度のアップデート(勧告)【令和7年4月実施(初任給・若年層の水準引上げは、令和6年4月に先行実施)】
現下の人事管理上の重点課題に対応し、諸手当にわたり包括的に給与制度を整備
例)・通勤手当等:支給限度額を月15万円に引上げ、この範囲内で特急料金も全額支給
新幹線通勤等の要件緩和
・扶養手当:配偶者に係る手当を廃止、子に係る手当を増額
・ボーナス:成績優秀者への勤勉手当の支給上限を引上げ(標準者の約3倍まで可能に)
任期付専門人材のボーナス拡充
●国家公務員の育児休業法の改正【民間労働法制の施行から遅れることなく実施】
民間労働法制の内容も踏まえ、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置を拡充
詳しくは、こちらをご覧ください。
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